2017年11月3日金曜日

『損する結婚、儲かる離婚』を読んで

結婚制度、法規制、社会通念について説明した本。
繰り返されるのが、結婚という金融商品がとても特異なものだということ。
内助の功の考え方のもと、夫婦の収入の半分ずつをそれぞれの権利とする。
したがって、専業主婦(主夫)と莫大な収入がある伴侶であっても、
半々の権利を持つ。それは離婚の直前の段階になっても。
(婚前資産は当人の資産で、半々の権利があるのは結婚後に築いた資産)

離婚に先立ち発生する費用として、婚姻費用と養育費用、慰謝料が発生する。
この中で一番大きい可能性が高いのが、婚姻費用で、収入の半分が無条件で支払われる。
これは強制的なもので、給料の差し押さえなども可能。
養育費用は子供がいれば支払われる。最後の慰謝料は微々たる金額らしい。

しかも、離婚の原因に寄らず、例えば不倫したとかでも前者の2つは全く関係なく
支払われて、かつ離婚が成立するまで支払われる。
この離婚の成立はとても厄介らしい、昔に比べればまだ短期間になったが、
別居を5~10年続けないと離婚できないらしい。
当然、婚姻費用を受け取る方針で、裁判を続けたら、という前提付きだけれど。

本には書かれていないけれど、実際は離婚時には疲労していて、
一時でも早く縁を切りたいということで、これらの費用を無視して離婚してしまう人も
多いのじゃないかと思う。
これは書いてあったけれど、そもそも収入がなければ払いようがないので、
ニート的な人の場合は、即離婚になる。

これは男女差別なく、収入が高い方が、低い方に払う必要が出てくる。
要するに収入格差があると結婚は離婚というリスクが生じる危険なものだということになる。

婚姻費用は、結婚しないと払わなくていいので、事実婚だとリスクは半減する。
それでも養育費は払わないといけないけれど、これはどう考えても当然のことなので、まぁいいだろう。


というのがこの本の軸で、他に雑多な考察が続く。
結婚で得をする収入格差の具体例。
女性の社会進出で婚姻率が減少する。(男性の医者はほぼ結婚しているが、女医は結婚していない人が多い)
ゆるやかな一夫多妻が人間の種としては自然。下位の男性はあぶれるのが自然。
結婚というのは、女性に下位の男性との婚姻を強いる女性差別的な制度。
お妾さん、愛人の推奨。
内助の功なんて時代錯誤。
婚外子率が日本が低すぎる。女性の社会進出と相関する。アイスランドは7割近くが婚外子。
男系制社会は、戦争のためのもの。女系制社会の方が子殺しも起きないし、全体的にハッピー。


と結婚について考えさせられる本でした。
個人的にも結婚制度なんてナンセンスだと思っています。
でも社会通念上、法規制上、子供を育てるには法律上の結婚をして夫婦になった方が
効率がいい。
特に厄介なのが、「誠実」とかいう言葉で語られる結婚して当然、そうあるべきという
一般的な感覚。
結婚のデメリットは離婚の際の金銭的な損失と浮気が許されないというところくらいで、
今のところ離婚も浮気もする気はさらさらないので、まぁいいのだけれど。
それにしたって、猿回しの猿のようにいいように踊らされている感覚があるので、
結婚制度自体には、あまり良い印象がない。

といっても、デメリットそんなにないし、相手や家族が結婚という形式を望むなら、
当然のように結婚とそのレールに乗るのですけどもね。

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